食器のお話(4)柄合わせ

食卓の装飾にはフィギュアと呼ばれる陶器の花や人形、キャンドルなどいろいろありますが、

箸置きは日本の立派なフィギュア。実用を兼ねた装飾品です。

同じく、醤油差しも日本独自の美意識で生まれた容器でしょう。

本来和食は、調理する人が味付けを完成させることが前提なので、お客が味をつけなおすことは

不躾、あるいは無礼なのでしょう、料亭では醤油差しがでてくることはお寿司以外ないようです。

しかし家庭では必要。ぜひ気に入った醤油差しを。

ついつい集めてしまい、わが家にはいくつか素敵なものがありますが、

写真の醤油差しは母が気に入って求めたものだったかと思います。

蓋との柄合わせが見事です。受け皿もあったはずですが紛失。残念。

着物の仕立てのように柄を合わせる美意識が、こんな小さいところにも発見。

食卓は日本文化を凝縮したステージに思えてきます。